“パスワード”について教えて下さい。
「えっ! むやみやたらと教えられないものですが…」
相手「(沈黙)…農薬のパスワードですが…」
ネット・アクセスに失敗した直後の問合せです。
大切で欠かせないものとの意味合いを込めての命名でしょう。"悪用されないように注意する"とはラベルに記載してないと思いますが、この名前を始め"パスポート"、"ダイマジン"など、新発売当時には勘違いを生ずることもありました。
パスワード顆粒水和剤は、日本バイエルアグロケム開発の果樹用殺菌剤(一般名:フェンヘキサミド)
「…トリンという成分の農薬を教えて下さい」
商品名で紛らわしいものは少ないが、一般名では同系統の化合物に似た名前があります。
殺虫剤のうち合成ピレスロイド剤に区分されるものに、…トリンというものが多くみられます。( )内は商品名
除草剤には、
等もあります。
…ゾール、またはコナゾールと付くものもたくさんあります。
殺菌剤のうちエルゴステロール阻害剤(EBI剤)を主体に、
植物成長調節剤に
…カルブと付く薬剤名
殺虫剤には、
殺菌剤には、
除草剤には、
など
頭が痛くなります。
気分をあらため、薬剤の効能とは別のものを感ずる名前を紹介しましょう。
等。
「ジコホルはケルセンと同じですか?」
農薬の名前には、商品名の他、化学名、それを簡略した一般名で記載されることがよくみられます。特に、各種基準値・指針値では、一般名が用いられますが、国内で農薬登録時に付けられる名称と、ISO(国際標準規格)名とが異なるものがあります。
質問にみられるように、同じものが異なる呼び方の代表的なものを紹介します。
前者がISO(国内名)です。
「“カゼイン石灰”と“デリスコ”の製造会社名を教えて下さい」
除虫菊製剤なども含め戦前に大活躍した薬剤です。今は忘れられた農薬?と思っていましたら、これがヒットして品薄とか。効き目は速効性か遅効性か?などの質問も含めて、有機栽培に取り組んでいる方からと推定される問合せが増えています。
昨今、デジタルカメラ(デジカメ)が売れる一方、今は製造してないクラッシクカメラ(中古品)がブームとか。この要因は、現行の全て自動的にやってくれるものは物足らなく、操作に手のかかるところが趣味人にとって魅力を感じさせることにあるようです。
調合や使い方が難しい、成果が上がると格段の喜びが感じられるなど、今の化学合成農薬にない素朴で人間性を感じさせる?“クラッシク農薬”のもつ魅力は、生物農薬などとともに、将来の農薬の目指すポイントの1つかもしれません。
水田除草剤は何を使ったら良いのか?
水田用には100種を超える除草剤が市販され、百花繚乱といえる状態のなか、何を選んだら良いのか迷っての質問かと思いましたが、(どれがいいのかは答え難く、立場上いつも苦慮しています)。昔は良く効いたが今の薬は効き目が悪い、とのこと。
水管理と使用時期さえ気をつければ大丈夫。昔のように均一に散布しなくても、また、田んぼに入らずに使える省力性を優先した除草剤の増えたことが、効果不足の原因になっているようです。水尻から流れ出るなど田水の移動がある状態では、薬剤の拡散も片寄りしやすく、止水をしっかりしないと効果不足になります。